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トラブルエピソード

トラブル発生→解決

Episode ①お互いの状況や温度感が伝わりにくいメールは、より丁寧に、慎重に

外出中の昼過ぎ、顧客から機器の契約書について質問メールが来た。「夕方までに返信を」とのご希望だったので、その場でパーキングに駐車をして数回メールのやりとりを行った。次のアポイント時間が迫っていたため、最後は簡単な文面で返信をし、やりとりを終わらせた。夜、顧客から電話があり、「メールのやり取りを終わらせるにしても失礼な文面じゃないか」とお叱りを受けた。

Point

メールは表情が見えず、声も聞こえないため、双方の感情や状況が伝わりにくいもの。「時間がない」というこちらの事情を理解してもらうためには、時間がないなかでも相手が納得できる丁寧なメールを心がけましょう。
また、相手の急いでいる事情や優先して知りたいことなどを短時間で理解・解決するために、電話で会話をした方がスムーズな場合もあります。臨機応変にメールと電話を使い分けることも必要です。

Episode ②多忙な時こそ、ケアレスミスに注意

担当の病院は、物品の納入価格を1年間同価格で納める契約をしていて、当社の納入占有率はほぼ100%だった。毎年2月末に価格見直しの依頼を受け、3月中旬には翌年度の納入価格を確定するが、他顧客からも同じ依頼が重なる時期でもあり、慌ただしくしていた。
ある時、定価が下がったにも関わらず、旧価格のまま納入価格を設定して半年以上納めていた物品があることが判明。すぐに新価格で対応し、差額分も返金することで了承を得られたが、翌年の価格交渉では競合他社が参入し、当社の占有率が50%近くまで減少してしまった。

Point

忙しさにとらわれて気付くことができなかった “たったひとつの小さなミス” で、長く続いた信頼関係が崩れ、大きなダメージを受けてしまいました。「契約」は「約束」です。忙しくても最後までよく見直し、またダブルチェックを行うなどして、間違いがないよう細心の注意を払いましょう。

Episode ③困ったときに助けてくれる味方をたくさんもとう

顧客から「古くなっていらない器械を引き取って廃棄してほしい」と依頼を受けた。ひとりでは動かせない大きくて重い器械のため、後日改めて引き取りに伺う旨を伝えた。1週間後、スタッフから「もしかして器械の引き取り忘れてますか?」と連絡があってすっかり忘れていたことに気付き、すぐさまメーカーと引き取りに伺った。先生はスタッフに「何か連絡あった? 引き取りのこと絶対忘れてるぞ。来週来なかったら出入り禁止」と言っていたそう。

Point

普段から様々な頼まれごとを行っていたので、「いつも無理を聞いてもらっていますから」とスタッフが気を遣って連絡をくれましたが、それがなければ出入り禁止になっていたところでした。先生だけでなくスタッフともしっかり信頼関係を築いておくことは、トラブルを回避したり、スムーズに解決することの一助にもなります。

Episode ④「慣れ」はトラブルのもと

入社3年が経って仕事にも慣れた頃、担当の病院に新しい医長の先生が赴任したので、挨拶をし、病院の器械のことをひと通り説明した。その後、OPEの手技を確認したいと思い、ある朝「今日の手術に立ち会わせてください」とお願いをしたところ、「当日の朝にそんなことを言うなんて信じられない」とお叱りを受けた。後日知ったところによると、先生はOPEに対して非常にナーバスな人、とのことだった。

Point

今までも関係のあった病院だったこともあり、自分がOPEに入ることに慣れて軽く考えていたことで双方の価値観に相違が生まれ、トラブルとなりました。また、挨拶と機器の説明をしたことで関係構築ができたと勘違いし、気軽に依頼してしまったのも一因です。新たに付き合いを始める際は、今までの慣習や自分の価値観にとらわれすぎず、相手の事をよく知り、それに合わせた慎重な行動をとりましょう。

Episode ⑤どんなルールも、当然のごとく遵守する

入社して間もなく、先輩の手伝いで大学病院の病棟に眼内レンズを納品する仕事を任された。その病院への出入りや仕事に慣れていくと、院内ルールで決められていた入館証を付けるのが面倒で、そのまま病棟に出入りしていた。ある日、普段通りに病棟に入ろうとしたら、入館証を付けていないことで新任の師長の目に留まり、呼び止められた。今まではそれで大丈夫だったので自分が悪いという認識がなく、不服そうな態度をとってしまい、師長の逆鱗に触れた。会社にお叱りの電話をいただき、上司を連れて謝罪することになった。

Point

今時間がない時や面倒な時も、ルールやマナーはしっかり守りましょう。社内でも顧客先でも、基本的なことを守れない人は、大切な仕事を託されることはありません。

Episode ⑥親しき仲にも、礼儀あり

数年間担当している病院の眼科ORTと親しくなり、気さくに話すようになっていたころ、病院の業務課から呼び出された。眼科スタッフからの「眼科医師と眼科スタッフに対する対応が全く違う」というクレームだった。

Point

眼科ORTと友達感覚の言葉遣いで話していたことにより、それを見た周りのスタッフに不信感を生んでしまいました。信頼関係をつくり、親しくなるのはいいことですが、あくまで顧客先のスタッフです。礼儀作法は忘れずに。

Episode ⑦一事が万事の交通ルール。ゆとりを持った判断を

担当病院へ至急納品依頼対応のため、車で向かっていた時のこと。病院駐車場に入る際、反対方向からの直進車がいることには気付いていたが、「この距離なら大丈夫だろう」と判断し、直線道路を先に右折して駐車場に入った。
納品を終えて車に戻ると、先ほど正面にいた車の運転手が待ち構えており、「直進車優先なのに、あなたが先に右折したので急ブレーキを踏んで怖い思いをした」と激怒。先方は車のナンバーを病院の業務課に連絡していたので、業務課担当者からもきつくお叱りを受けた。

Point

急いでいたこともあって「大丈夫だろう」と甘い判断をしてしまい、トラブルとなりました。急いでいるときでも交通マナーを遵守するのはもちろん、まわりに配慮した余裕ある判断・行動を心がけましょう。

Episode ⑧自分の配慮なき行動のその先まで考えよう

ある医療モールの病院に器械搬入のために訪問。施設の正面入口前に車を停車して荷下ろしをしていたら、医療モールのオーナーである薬局店長から「患者さまの通院を妨げるような停車の仕方は、医療に関わる人間としてあってはならない」とお叱りを受けた。

Point

患者さまの出入りが少ない時間帯だったので、「多少はいいか」と自分勝手な判断をしてしまいました。また、そこに駐車することで不快な思いをした患者さまがいた場合、怒りの矛先が担当病院に及ぶ可能性があることも配慮すべき点です。病院や患者さま、さらにはその周辺の住民や通行人に対しても気を配りましょう。

Episode ⑨立会いなしの作業時は、事前チェックや報告をより入念に行おう

担当病院にて新たにスライドテーブルとスリットランプを購入いただき、休診日に搬入を行った。後日、院長から「診察室のドアノブに傷がついている」とご指摘があり、院内の防犯カメラの映像を確認すると、メーカーが作業中に破損したことが判明。院長は細かいことを言いたくなかった様子で恐縮していたが、メーカーへ事情を確認して補償してもらった。

Point

搬入作業中の指示や作業後の確認を行っておらず、メーカー任せになっていたのも一因です。立会いをしない作業が担当病院で行われる場合は、事前事後のチェックや報告、共有などをよりしっかりと行いましょう。

Episode ⑩長く担当した顧客だからこそ、引継ぎは計画的に

開業時から5年ほど担当していた病院の院長は、大学病院勤務時代から当社をひいきにしていて、自社占有率は100%。その病院の引継ぎ時、長い付き合いで信頼関係ができていたからこそ「万全を期して慎重に」と考えて、先に事務長に引き継ぎを相談。その話が先行して事務長から院長に伝わってしまったことで、信頼を失ってしまい、引継ぎ作業が難航した。後から院長と話を聞くと、「一番に相談して欲しかった」とのことだった。

Point

信頼関係がしっかり構築できていても、ひとつのすれ違いで信頼を失ってしまうことがあります。長く担当したからこそ、自分が離れて別の担当者へ引き継ぐのは難しいかもしれません。顧客から理解してもらい、スムーズに引継ぎを進めるためには、顧客の性格や関係性を客観的に把握し、事前計画をしっかり立てることが重要です。

Episode ⑪メーカーとも定期的に情報共有をしよう

以前から某メーカーより相談があり、顧客にレンティスコンフォートを提案していた。メーカー担当者が変わった後は音沙汰名がなく連絡を取っていなかったが、突然顧客から見積依頼があり、そのメーカーが当社に連絡なしに競合他社と話を進めていたことが判明。その後相見積もりになり、薄利ながら当社からご購入いただけて、競合他社が出入りすることもなくなったが、日頃からメーカーと連絡を取り合う大切さを痛感した。

Point

顧客と密に連絡を取り、訪問をすることが大切であるように、メーカーとも定期的に連絡を取り情報共有を行うことで、今回のような思いがけない事案の発生を防げます。

Episode ⑫メーカーへの営業活動が、顧客の利益につながる

「開業時から使用している器械が不調」と担当病院から金曜日に連絡を受ける。その器械のメーカーが長野県のため、通常であれば翌週対応になるところだが、土日にも診療があるゆえに顧客は当日修理を希望。交渉の末、メーカー営業担当者が長野県から出向き、当日中に修理完了してくれた。

Point

他案件などで普段からメーカー担当者と連絡を取り合っていたこともあり、交渉がしやすく、無事希望を聞いてもらうことができました。顧客への営業活動だけでなく、メーカーへの営業も大切な仕事のひとつです。

リスクヘッジによって、トラブルを未然に解決

Episode ①指示や要望がない時も、自分ができる最大限の準備をしよう

新規開業のお手伝いをしていた際、初めての手術の前日に念入りに準備を進めていた。手術シュミレーションの際、起こり得る状況を自分なりに想定し、先生から特に要望はなかったものの必要以上の準備をしていた。
当日、先生の想定外の事態が発生し、先生は「用意がない」とパニックになったが、準備している旨を伝えてそのままOPEは無事終了。OPE後には感謝の言葉をいただいた。

Point

指示がなくても、自分ができる最大限の準備を行ったことで、当日の予期せぬ事態にもスムーズに対応できました。頼まれたことだけをこなすのではなく、その一歩先も読んで行動できるようになりましょう。

Episode ②繰り返すトラブルには、早めの一手

大学病院に手術用の眼内レンズを納品していたが、度々先生が注文を忘れるので、手術予定が大幅に狂ったり、手術当日にメーカー倉庫に取りに行くことが多かった。そこで、手術の予定表と現地に準備すべき眼内レンズを先生と一緒に確認するようにし、事前の注文忘れや間違いに気付けるようにした。

Point

予想できるトラブルが続く場合は、解決策を早めに考えてすぐに行動しましょう。この場合は、「チェックを一緒にする」というアクションを取り入れたことで、手術当日に慌ただしく駆けまわったり、患者様の手術順番の変更を大幅に減らすことができました。

Episode ③先生の気持ちを理解して、不安を解消するサポート

担当病院での硝子体手術中に、レーザー装置にエラーが出た。再起動により問題なく使用できたが、次回手術で使用することに不安を覚えた先生から点検の依頼を受けた。メーカーに点検を依頼するも、「エラーの再現性なし、様子をみてほしい」との見解。先生に報告するととても不安そうな表情だったので、「過度な対応かな」と思いつつも、万が一に備えて代替機をメーカーに準備してもらう手配をした。
次の手術当日、再度エラーが発生して再起動しても動かない事態に。すぐに代替機と入れ替えたことで無事手術を終えることができた。

Point

先生の曇った表情を見逃さず、不安を取り除くことを最優先にして考え行動できたことが、トラブル回避につながりました。先生からは「こちらの不安な気持ちを理解して、代替機の準備までしてくれて、本当にありがとう」と感謝の言葉をもらえました。

Episode ④謝罪の際は、今後の対応策も合わせて提案

新しく担当になったばかりの病院に商品見積もりを提出後、院長から「以前同一商品の見積もりをもらっているが、その時の価格よりかなり高い。営業担当者が代わったばかりで、いきなり価格を上げてくるようでは信頼できない」とクレームが入った。この商品は定価改定が行われ、見積もり価格も高くなっていた。以前の見積もり履歴を確認していなかったため、その説明をしないまま見積もりを提出してしまって誤解が生じた。
後日上司とお詫びに伺う際、謝罪と事実報告に加え、「今後同じような誤解を生まないためにどうするか」の対応策を提案した。

Point

謝罪と報告のみで終わらせるのではなく、同時に「今後の再発防止策」を自ら提案したことで、誤解を解くだけでなく担当者としての信頼を得ることができました。